僕の神は無力だった

僕はどうしても感情が高ぶると理屈っぽくなってしまう。彼女とケンカになるといつもそうなってしまう。というか正確には僕も普通の人間だから感情が高ぶれば感情がすごい表にでたりもする。だけどメールという機能を媒介にした会話においては中途半端に考える時間があるために理屈っぽくなりがちなのかもしれない。
今日もやってしまった。僕は理屈でどうにかしようとする。彼女はその場その場の感情でどうにかしようとする。話が噛み合わない。そこには秩序がない。それに僕は苛立つ。どうにか秩序を構築したい僕がいる。一人では無理なのに一人でやろうとするから、というか正確には彼女に要請しても無理なのはわかってるのに要請するから、余計に無秩序化が進む。僕は依然と言葉の交通整理をしようとするんだけれども、彼女が先に断念する。
僕はそこでやっと気付く。またやってしまった。
論理は僕が最も崇拝するもののひとつである。しかしそれは人間関係には役立たない。僕の信じる神は全知全能ではないようだ。