たまには自分が勉強していることをブログの記事に活かしてみるというテスト

マクドナルドが「セット+1バーガーで100円キャッシュバック」というサービスを期間限定ではありますがやるようですね。実際のところこういう戦略が利益に対してどれほどのインパクトを与えるのかとかいうのはわかりませんが、少し管理会計を学んだ身である僕としては、うまいなぁという印象を受けます。
まぁ本当の詳しいところは僕もわかりませんが、一言で言えばマクドナルドのような商売は「とにかく数を売る」ことが目標というか、そこが損益分岐の重要な部分を占めるわけです*1。以下の簡単な例を見れば納得いただけるかなぁと思います。
まず、原価計算の基本として、あらゆるコストを変動費と固定費にわける必要があります。変動費というのは生産量に比例的に発生するコストで、例えば材料費などがあります。固定費は生産量に関係なく必ず発生する一定の額で、例えば固定資産の減価償却費や電気・ガス等の基本料金などがあります。
また、当たり前な話ですが、利益というのは売り上げからかかったコストを差し引いた純額が利益となります。したがって、単純な話、製品1個あたりの価格が、その製品1個あたりにかかったコストを上回れば、企業としては嬉しいわけですね。
ここで次のような例を考えてみましょう。話の単純化のため変動費は材料費だけだとします。それから生産量と販売量は一致している(売れ残りなどはない)とします。

ハンバーガー1個を作るのに材料費として30円かかる.また毎月固定費が1,000,000円発生する.今月の生産量は20,000個であった.ハンバーガー1個あたりの原価はいくらか.

簡単ですね。(@30円×20,000個+FC*21,000,000円)/20,000個=@80円ですね。
ここで問題を一部変えてみましょう。

ハンバーガー1個を作るのに材料費として30円かかる.また毎月固定費が1,000,000円発生する.今月の生産量は50,000個であった.ハンバーガー1個あたりの原価はいくらか.

同様に、(@30円×50,000個+FC1,000,000円)/50,000個=@50円
つまり、より多く生産する(20,000個→50,000個)ことで単位原価が下がり(@80円→@50円)、その分だけ利益幅も増えるということです。どういうことかといえば、もうおわかりだと思いますが常に一定の固定費部分に対する単位原価が生産量が増えれば増えるほど低くなるからですね。
したがってこのような業種では個数がはければはけるほど単位原価が低くなって、利益もどんとでるということです。また逆に言えば、その個数が少なければ単位原価がものすごい高くなってしまい赤字になるというわけです。その損益の分かれ目を損益分岐点というわけですね。
以上のことを考えますと、今回のマクドナルドの戦略は「個数をより多くはけさせる」という点においては間違いなく成功するでしょう。ただ全体の利益としてはこの100円キャッシュバックがどう響いてくるのかはわからないですけどね。企業から見ればこの100円キャッシュバックはもちろんコストとなるわけで、この額が、先の計算における単位原価を抑えたことによる利益額を下回れば勝ちと言うことになりますか*3
まぁ聞けば当たり前のような話ですが、僕にしたらこのような会計的な見方はかなり目から鱗的な感動があったので、紹介してみました。

*1:まぁどの業種でも大抵そうですが、特に。

*2:固定費:Fixed Cost

*3:今回考えた一部分だけで損益が決まると考えた場合の話です。もちろん全体の利益に対するインパクトの要因は他にもたくさんあるので話はそう単純ではないでしょう。