バスク語ってご存じですか?

用あって地元の図書館行って、そのついでに本借りてきました。目的の本含めて10冊借りてきたんですが、そのうちの1冊がこちら。

バスク語入門―言語・民族・文化―知られざるバスクの全貌

バスク語入門―言語・民族・文化―知られざるバスクの全貌

バスク語ってご存じですか?
正直僕自身は「一応聞いたことないわけでもない」くらいで、具体的にどの辺の言語なのかとかっていうのは気にしたことはありませんでした。でも今回この本を読んでバスク語という言語について非常に興味を抱きました。以下で簡単にバスク語の魅力について、たった一日本読んだだけですがまとめてみたいと思います。

バスク地方

まずバスク地方というのは、イベリア半島北岸、フランスとスペインの国境をまたいだ地域であり、国としてはフランス領あるいはスペイン領となっています。したがって、公用語としてはフランス語あるいはスペイン語ということだそうです。*1

バスク語の歴史

バスク人というのは、印欧語族イベリア半島に侵入してくる以前からいたようで、(正確な言い方ではないかも知れませんが)印欧語系ではなく、孤立の言語で近隣の言語とは無関係の歴史を歩んできたそうです。もちろん無関係とはいってもスペイン語やフランス語の影響で変化した言葉や、輸入語などは数多くありますが、その言語の発達としての歴史という意味では、孤立の言語ということです。

バスク語と日本語

一番興味をそそられたというか、驚いたのが日本語との偶然の一致。いろいろな言語を見ていくと偶然一致するということはまれにあるようですが、これだけ全然関係のない地域でそのような現象がみられるっていうのは本当に不思議ですよね。
例えば日本語で「こればかりだ」という文。バスク語にはこれに似た、というよりむしろ一致した言葉があるのです。それがこちら。
kori bakarrik da
読み方はほとんどそのままです。どうでしょうか。「こればかりだ」って読めますよね!しかもさらに驚くべきことにそれぞれの単語の意味を示すと、kori:それ, bakarrik:〜だけ, da:〜だ*2, であり、これをつなげると「それだけだ」、「それしかない」、、「こればかりだ」。そう、形だけでなくその意味まで一致しているのです。
また他にもこのような現象は見られていて、例えばバスク語で「兄」はanai、「乳」はtiti、「鳥」はtxori*3、などがあります。

文法

やはり部分部分はフランス語やスペイン語(あるいはラテン語)の影響と思われる部分もありつつ、やはり本来の全然違うような部分もあっておもしろいです。例えば
Miren ikaslea da.(ミレンは生徒です。)
は、daが先述(注記2)のように「…である」ですので、語順としてはフランス語などとは全然違って、むしろ日本語に近いですよね。
その一方で時制として現在完了や半過去があるなど、フランス語などに近い部分もあります。(これが本来そのようなものなのか、影響されてそうなったのかはわかりません)

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これだけでもちょっと興味わきませんか?
仮に自分が3カ国語習得しているとして、それが
・日本語
・英語
バスク語
だったらかっこよくないですか?←

*1:国境をまたいでいるので、スペイン側はスペイン語、フランス側はフランス語、という感じです。

*2:英語で言うところのbe動詞三人称単数

*3:バスク語でtxは[tʃ]