論述について

今日は企業法の論述マスターというオプション講座を受講してまいりました。生講義は1ヶ月以上前に行われていたのですが、当時はこのオプション講座の存在に気づかず(←)、最近申し込んでDVDにて受講してまいりました。
内容は、企業法という科目における答案作成上の基本的なルール及びテクニックを過去問等を使用しながら解説していくというもの。条文の指摘の仕方から答案構成の仕方などなど、いろいろと参考になりましたね。なんとなくは今までの講義の中でわかっていましたが、各問題パターン別の答案構成の作り方などは参考になりました。大学受験時代から論述というものには慣れ親しんでいて、論述は下書きが命というのは身に染みてわかっているので、その下書きの書き方というのは非常に参考になるものです。
今となっては当たり前のことなんですが、この勉強を初めてすぐの頃、模範解答などを読んでものすごく違和感を感じたことが大きく二点ほどありました。企業法に限らず財務会計論の論述などにも言えることなんですけどね。というのも、答案作成上の基本的なルールで、形式面、内容面でそれぞれ大学受験時とは大きく異なっていたんですね。
長くなってしまったのでたたみます。
第一に、大学受験における世界史などの論述では、一般的に段落わけはしません。それに伴い書き始めの一字下げというのもありません。「○○について400字以内で述べよ」という設問であれば、400字のマスをひたすら埋めるべくはじめからズラズラと文字を書き並べていくというイメージでしょうか。
それに対して、この試験(おそらく司法試験など他の資格試験もそうだと思いますが)に関しては、段落わけもするし、したがって当然段落のはじめは一字下げます。まぁどう考えてもこっちの方が読みやすいですけどね。
第二には、答えるべき範囲の相違です。大学受験、資格試験*1、どっちにしても予備校の先生には「聞かれたことだけに答えなさい」と言われるのですが、資格試験に関しては本当に聞かれたことだけに答えても全然点数はもらえません。大学受験では、例えば「十字軍の影響について400字以内で述べよ」という問題であれば、基本的には十字軍の影響だけ書いていけばいいんです*2
しかし、例えば公認会計士試験の企業法の論述で「譲渡制限株式について○○を述べよ」みたいな問題で本当に譲渡制限株式についてだけ書いても全然点数にはなりません。具体的には、
そもそも株式会社では、株主は有限責任しか負わず(104条)、会社債権者を保護する必要性があるため、出資の払い戻しは認められない。
というところから書き出す場合もあります。「え!?これがどう譲渡制限株式とつながっていくの!?」と誰しも最初は思いますが以下のようにしてつながっていくのです。
そこで、株主の投下資本回収手段を確保するため、株主はその有する株式を原則として自由に譲渡することができる(127条)。しかし、会社経営の安定を図るため、株式会社はその全部又は一部の株式について譲渡制限を設けることが出来る(117条1項1号、118条1項4号)。…
会社法をやってない方にとってはなんのこっちゃみたいな話で申し訳ないんですが、まぁ要するにとにかく原理原則から書き始めなさい、みたいな話です。どこまで原理原則まで遡るかは解答スペースとの相談によりますけどね。だから有限責任の話まで遡るかどうかは結構微妙なところだったりしますが。
さらに、問題によっては語句の定義から書き出す必要があったりと、書くべき内容は結構多岐にわたります。「聞かれたことだけに答えなさい」とはいっても、短い問題文の中にいっぱい聞かれてることがある、と言うように解するべきなんでしょうね。
長くなってしまいましたが、以上より、やはり大学受験の時に比してより高い国語力も要求されるということですね。当たり前っちゃ当たり前ですが。
幸い僕は一応日本語は無難に書けるのでその辺は慣れれば基本的には大丈夫だと思うのですが、最近結構文章を書かせてみると日本語にならない人とかもいたりするので、そういう人たちにとっては大きな課題になってしまいそうですね。
ちなみに、大学受験の論述にしても、資格試験の論述にしても、また試験に限らずあらゆる場面においても、基本的に共通して言えるのは「わかりやすく書く」ということではないでしょうか。これも至極当然のことですが、意外に人に言われないと気づかないことだったりします。
最も簡単なところでいうと、「一文一文を短くする」というところでしょうかね。難しい文章を書こうとして、「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜は、・・・・・・・・・・・・・であるからして、〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ということになり、そうであるならば・・・・・・・・・・・であるから、したがって、〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜である」というような冗長な文は非常に読みづらいです。「〜〜〜〜〜は・・・・・・である。〜〜〜〜〜だからである。・・・・・であれば、〜〜〜〜〜〜〜である。したがって、・・・・・・である。」という方が非常に明快ですよね。こういうちょっとした心遣いが大切であると、僕は高校時代から先生によく言われていました。
読み手に対する愛を持ちなさい。
ということらしいです。
ちなみに、このブログはといいますと、、、、まぁいろいろとご容赦願いたいところです←
今回の記事も読み返すと結構わかりにくい部分あったりしますが…その辺がまたブログっぽくていいんじゃないですか?←
いや、読み手のみなさんにはいっぱい愛はあるんですよ?でも伝わらない気持ちだって世の中にはあるんです!(え

*1:公認会計士試験、司法試験など

*2:細かく言うと軽く当初の時代背景などについて触れるなどもありますが、「影響」と言えば「変化前」と「変化後」があるのは当然であり、「変化前」である当初の時代背景を述べることは単に「影響」んついて述べることの範囲に含まれると思います。