マネロン

最近読み終わった本。




10/15ゲーム理論レーニング』逢沢明著 かんき出版
10/15『よくわかるコンサルティング業界』大石哲之著 日本実業出版社
10/16コンサルティングの悪魔』ルイス・ピーノルト著 徳間書店
10/18マネーロンダリング』平尾武、村井正美著 講談社


正直『コンサルティングの悪魔』は結局何が言いたいのかよくわからなかった。
意図不明というか、タイトルと中身が一致しづらいというか。


この4冊のうち良かったのは『マネーロンダリング』。

マネーロンダリング

マネーロンダリング

ヤミ金融で得た金がどのようにして組織の上部へと流れ、さらにどのようにしてそれらの資金が洗浄されていくのか。
実際の事件をもとにわかりやすく解説されている。




簡単に説明すると、次の通り。


まずはヤミ金融などの悪徳商法から組織上部に金が流れる仕組み。
例えばAという組織の長がいたとする。
Aはヤミ金融などとは別に、善良な会社に見せかけた企業グループを作る。
例えば食品会社など。
そしてヤミ金融を営む支店にはこのA食品会社から食料を買わせ、通常の取引に見せかけてヤミ金融によって得た売り上げを吸い上げる。
実際には食品会社だけでなく様々な業種にわたって展開し、支店にこれを使わせて吸い上げていたようだ。


次にどうやって資金が洗浄だれていたのか。


まずAはその黒い金で割引債*1を購入する。
そしてその割引債の償還をもって再び現金に戻し、これを香港などの銀行に預入する(実際にはここの手続きがもっと複雑であるがここでは省略する)。
さらに香港で設立したペーパーカンパニーに金を移し、このペーパーカンパニーと通常の取引をするかまたは融資を受けるように見せて、日本に金を戻してくるというわけ。


実に巧妙な手口だなぁと感心しました。



ただし、これはすでに摘発されて裁判も終わった事件であり、もちろん新たにこのような事件の対策が練られており、当然ながら同じ手口ではできないようになっています。


しかし、やはりこういった事件はああすればこうするみたいないたちごっこが永遠に続いていくのかなぁと思います。
ただ、こういった犯罪は確実にしにくくなっており、件数も徐々に減っているわけで、ゼロにはならなくても限りなくゼロに近づければいいなぁと、月並みながらそう思いました。

*1:額面金額より低い金額で発行され、償還時には額面金額で償還される債権。例えば額面金額100、発行価額90のものであれば償還時に10の利益が得られる。