選挙結果を受けて

当初の予想通り民主党が大勝利を収めましたね。「超」がつくほどの大物議員が片っ端から負けていったことには本当に驚きですね。
まぁ個人的にはとりあえずお手並み拝見みたいな気分なんですが、今日は新政権への期待という意味も込めて、民主党マニフェストについて、疑問に思うこと等挙げてみたいと思います。

子ども手当」を支給します

今回の民主党マニフェストの目玉の一つですね。これ自体はまぁ実現されれば良いことなんでしょうけど、その一方で民主党

「控除」から「手当」へ転換するため、所得税配偶者控除・扶養控除を廃止し、「子ども手当」を創設

ということも掲げています。
でも、結局その名称が変わっただけで国民が享受する実質的な恩恵は変わらないのでは?むしろ、家庭によっては今まで受けていた所得税控除よりも給付手当の額が減る、なんてこともあり得るのでは?
そういう疑問があります。その辺、大丈夫なんでしょうかね。ただ、いずれにしても、所得税の控除をなくすことについてはあまり国民に周知はされていない印象があります。これは極端な言い方をすれば詐欺なのでは?

高速道路無料化します

これは政策自体に反対なんですけどね。高速道路無料化したらそれって高速道路じゃなくなると思うんですよ。
まぁとりあえずそれよりも僕はこの政策は昨今のエコロジー的な世界の流れに逆行してはいないか、と思うんですよ。この政策に限らず、

ガソリン税軽油引取税自動車重量税自動車取得税暫定税率を廃止します

っていうのも完全に時代に逆行しているような。
もちろん経済活性化っていう課題も大事だとは思いますが、それを達成するための手段は選ばないというのでは、ブッシュ政権下のアメリカと同じじゃないですか。そのくせ、ちゃっかりマニフェストには

(外交で)地球温暖化対策で主体的役割を果たします。

とか

2020年までに温暖化ガスを25%削減('90年比)するため、排出量取引市場を創設し、地球温暖化対策税の導入を検討します。

とか謳っているんですよ。
これはどう説明するのでしょうか。

同じ職場で同じ仕事をしている人の待遇を均等にして、仕事と生活の調和を進めます。

…どこの社会主義国ですか。
あと他にも労働政策についてはいろいろ疑問があります。

「求職者支援制度」を創設します。

と謳っている一方で、

常用雇用を拡大し、製造現場への派遣を原則禁止します。

時給1000円(全国平均)の最低賃金を目指します。

とか、こんなことしても企業の労働需要を保つことはできるのでしょうか。
労働環境を整備するのが先なのか、雇用確保が先なのか、両方実現できるのが当然最良ですけどどちらが優先なのかがよくわかりません。

まとめ

基本的には、やはり政権を取るからには頑張って欲しいですよ。マニフェストに掲げられた様々な政策も、その多くは基本的には実際実現されれば素晴らしいようなことですし。
ただ、僕が問題としたいのは、財源の問題とかもいろいろありますが、そういうことではなくてむしろ、一貫した戦略の下に政治を運営して欲しいということです。今までの日本の政治は、一貫したポリシーがないために、行き当たりばったりの政策になりがちだったように思います。そして今回の民主党マニフェストに掲げられた政策も、僕の目から見ても多くの矛盾をはらんでいます。どうも「『こんなこといいなできたらいいな』かき集め作戦」のように見えてしまいます。
一貫性が大事だと思います。
とりあえずは決まったからには新政権に期待しましょう。