懺悔

 僕はつい少し前まで、1,2年の間に会計士試験で会計学を中心にいろいろ勉強してきたからその辺の知識では学部生の中だったら知識量ではそうそう負けないだろう、などと考えていました。でも最近ゼミを始め、専門の授業を受けていていかに自分が愚かだったか、というのを実感しています。大学の先生は「会計士試験などに向けて勉強するのはとても偉いことだけど、それと大学の勉強はまるで違う」などと以前からおっしゃっていましたが、いかんせん、僕にとっては、高校時代に学校の先生が「塾の勉強だけやってもしょうがないんだ」などと言っていたのと重なってそれを信じ切れていませんでした。しかし、最近になってやっと大学におけるアカデミックな勉強の凄みに気づいて、自分が今までやってきたことは本当にただ試験のためのものなんだなぁと思っています。


 決して会計士試験の勉強が無意味だなんて言うつもりはありません。もちろん公認会計士という専門職をつとめるうえで必要な知識を体系的に得られるようになっているし、それは他の関連分野を学ぶ上でも非常に役に立つ知識です。例えば、僕は大学では金融周辺の勉強に力を入れていますが、金融の理解に当たって会計や会社法(主にコーポレート・ガバナンス)の知識は不可欠です。ですから、1,2年の間会計士試験の勉強に打ち込んできたことは本当に自分にとってプラスになったということは確信しているし、当然この調子で勉強を進めて資格取得までこぎ着けるつもりです。


 とはいえ、自分が少し過信というか、勘違いしていたということも否めません。ここにきて「これが大学か」ということを実感しています。試験勉強を続ける余り忘れかけていた学問のおもしろさを思い出しつつあります。勉強は本当に楽しいです。興奮するというかわくわくするというか。


 新たな知識を獲得していく喜び。これほど人間らしいことはないんじゃないかなぁ、と思います。新たな知識を獲得していくと考え方の幅も広がっていく。脳内フロンティアが拡大していくイメージ。とってもエキサイティング。

補足

 なんでこんなこと書いたかっていうと、以前マクロ・エコノミクスの授業後にたまたま同じ授業受けていたサークルの先輩が、「ぶっちゃけ俺外交官試験でマクロはマスターしてるから余裕だわーw」とか言っていたんです。正直僕も経済学は会計士試験でわりとしっかりやってるので授業でなくても大体わかるんですけど、僕はその時は全然そう思っていなくて、一度やったところでも「学問」として学びたい、というような気持ちで授業を受けていたんですね。そこで、同じようにダブルスクールで既習となっている科目に対する姿勢のギャップに気づきまして、さらに自分も少し前はその彼と同じ考えを持っていたなぁ、などとも思いまして。
 最近はむしろ自分の力不足を痛感することばかりで、謙虚な姿勢で勉強に向かい合えているので、自分としては良い傾向だなと思っています。